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書籍情報

墨絵歳時記

墨絵歳時記
著者 寺山 皖子
販売価格 2,000円(税込2,200円)
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商品説明


■サブタイトル/入門・実作の心得
■体裁/B5変・127頁  ■ISBN/978-4-8170-3132-7

作品鑑賞の連載記事も作画のためになる。横長の画面、霧が地面から立ちのぼり杉の大木の根元の周りも定かではない。中景の樹木もうっすらと見えるだけで、遠景は霞んでいる。物音一つしない森閑とした気が漂う。前面の大木の配置が緊密で、どっしりと安定した気分が出ている。等伯の「松林図」を思い出させる屏風作品。
 藤、蘭、菖蒲、合歓(ねむ)、…。しっとりと落ち着いたカラーの扇面。雅で落ち着いた味わい。愛でるように、花たちへの慈しみとやさしさが、見る者にわかる。
「海の幸」は新鮮なさんま5尾と貝の組合せ。これはありきたりの構図ではない新しい感覚で、おもしろい。墨一色のなかにいきいきした輝きが映る。
 このほか、風景、野菜、鳥などの作品が、色紙、短冊、軸、はがきなどの画面をも交えながら、併せて 115点。これに「描法練習」として白木蓮、アスパラガス、海老、比叡山西塔、バラ、孔雀サボテン、青唐と枝豆、秋刀魚の8種をとり上げ、連続分解図により解説を加えた。
 水墨画は多くの人達が描くようになり、愛好家が増えた。しかしその作品は、伝統美を離れて単色で形を写すだけの、モノクロ写真を思わせるようなものに陥りがちである。こういう傾向に反して、著者の作品は、本来あるべき水墨画の精神に則って、筆勢の強弱、墨色の妙、省筆などの基本を押さえて、心に宿った姿をできるだけ表現しようとしている。序・斉藤南北。
 
●主な目次 
■春 北国の春、八重桜、京都・白木蓮、土筆、蕗の薹、海老、など /■夏 滝、白鷺、渓流、高野山、雛鳥、山百合、百日草、菖蒲、など /■秋 名月、月明かり、朝顔、鶏頭、桔梗、月下美人、里芋、など /■冬 冬川、冬山、雲海、カトレア、長葱、道南の鮭、かれい、など /■四季のはがき 胡蝶蘭、鶴、水芭蕉、鉄線、フリージア、など

●てらやま・よしこ
1933年岡山県生まれ。岡山大学卒業。斉藤南北に師事。南北墨画会常任理事、大阪支部責任者。全九州水墨画協会理事・審査員。産経・書のアート協会理事。大阪・京都を中心に個展10数回。東京・大阪でカルチャースクールの水墨画講師。