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東京文学スケッチ散歩
東京文学スケッチ散歩
著者
きたとしたか
販売価格
2,300円(税込2,530円)
購入数
商品説明
■サブタイトル/水彩で描いた物語の風景
■体裁/B5変・142頁 ■ISBN/978-4-8170-3381-9
一葉、露伴、漱石、鴎外、子規、芥川龍之介、平塚らいてう、室生犀星、永井荷風、岡本かの子、堀辰雄、佐多稲子、高見順、坂口安吾、久保田万太郎、獅子文六、三島由紀夫…。130人の文芸作品などの、ゆかりの地で描いた、線が生きているスケッチと、文。
明治から昭和へと激しく変貌した東京の世相や歴史のひとこまを、物語の中に生きている時代相と共に、作家の目を通して鮮やかに蘇らせてくれる。取材記や著者のつぶやきも、かいま見られる。
本郷、湯島、千駄木、谷中、根岸、上野、田端、向島、浅草、日本橋、銀座など62個所を訪ねた。
第42回の「神田の心臓部、古書街」では、漱石が出てくる。小説『こころ』で、お嬢さんを下さいと、下宿の奥さんに言った後、飛び出した先は、千代田区神田神保町のこの古書店街だった。「私は猿楽町から神保町の通りへ出て、小川町の方へ曲がりました。私が此界隈を歩くのは、何時も古本屋をひやかすのが目的でした」。その漱石の『こころ』を、何とか自分のところから出してくれ、ついでに費用も、と図々しく漱石に借りて出版したのが古本屋開業間もない岩波茂雄。
司馬遼太郎はこういう古書街の英雄群像を『街道を行く 36』で倦まず語り、漱石研究で世に出た江藤淳は、中学生の頃からこの古書街に馴染んだと、紹介している。
1回につき700字余りの案内ながら、探ってゆくと所々に奥深いものが突き当たる。読み飛ばしたところを、原典でもう一度当ったり、その場所を訪ねたくなった。
「公明新聞」日曜版に1年にわたり62回連載した。それに、絵を大幅に増やし、注釈と写生地への略図を附した。
●喜多迅鷹
「東京を描く市民の会」「彩の国を描く会」を創立、活動している。個展、著訳書多数。東京都立大学講師などを勤めたが、学園紛争を機に画業に転向。1926年生まれ、東京大学法学部卒業。
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