笹川弘三水彩画集

商品説明

■サブタイトル/麻紙に描かれた「原風景」
■体裁/Ａ4変 上製・103頁　　■ISBN/978-4-8170-3183-9

どこにでもある小さな町の家並、子供が水遊びする小川、電灯が、ぽつんぽつんと点る寒い夕暮れの山村。誰でも、心にしまっている懐かしくて暖かくて優しい「原風景」は、日常的な景色のあちこちに点在している。
　そこに人物が描かれていなくとも、そこに暮らしがあり、人の気配がはっきりと感じられる情景。明確な光と影が、季節や時間をそのまま描きだした。郷里新潟、東京近郊、宮城、長野、山梨などで描いた55点に、ヨーロッパの街景等を加えて81点を収めた。透明水彩絵具がしっかりと定着しているが、使っているのは洋紙ではなく、雲肌麻紙という厚い和紙である。
　体調を崩し37年間続けた映画や写真の仕事をやめた。65歳から始めた画業は10年目ながら、鍛え上げた構図へのフレーム感覚が、一点一点に生きている。原風景によせる文も映像体験が説得力を増した。

●主な目次　
◆笹川さんの目　森本哲郎　▲春・芽生え　▲日本の夏　▲それぞれの秋　▲冬の音　▲ヨーロッパ・光と風　◆原風景を求めて／笹川弘三年譜

●ささがわ・こうぞう。
1926年新潟県新発田市生まれ。気象技術官養成所（現気象大学校）入所。シナリオライターを経て映画製作、写真出版に携わる。日展、一水会展、中美展、東光展入選。新潟・新宿・仙台三越、ギャラリー新宿高野で個展。66年カナダ万博国際映画祭銀賞、82年教育映画祭文部大臣賞｡写真集『おくのほそ道行』(森本哲郎との共著)『万葉百景』など５点を平凡社から刊行。